ルーティン
習慣をつい忘れてしまう理由と、その直し方
やるつもりだった。やりたいとさえ思っていた。なのに夜11時に歯をみがきながら、また忘れたことに気づく。それは性格の欠点ではありません。きっかけが足りないだけです。
結論
習慣を忘れるのは、確実なきっかけがないからです。習慣ごとに具体的な時間と場所を決め、毎日すでにやっていることに積み重ね、新しい習慣は一度に2つか3つまでにし、リマインダーを予備に使いましょう。実行意図(「Xしたら、Yする」)は94件の研究で中程度から大きな効果が示されています。
なぜ習慣をつい忘れてしまうのか?
忘れられる習慣のほとんどは、そもそも具体的なきっかけに結びついていません。いつ、どこでが決まっていない習慣は、毎日やることリスト全体と競争しなければならず、忙しい日には負けてしまいます。
「水をもっと飲む」「もっと本を読む」は意図であって、習慣ではありません。ちょうどいいタイミングで思い出すことが前提で、それは疲れた脳や忙しい脳がいちばん苦手なことです。自動運転で回る習慣は逆の仕組みで動きます。状況が思い出させてくれて、行動がついてくるのです。ウェンディ・ウッドらの研究(2002年)では、日常の行動の約43パーセントがほぼ毎日同じ状況で行われており、それが自動化の理由でした。目標は、新しい習慣をこのグループに入れることです。
習慣が記憶から抜け落ちるよくある理由は?
忘れる原因のほとんどは4つで説明できます。アンカーがない、習慣が多すぎる、目に見えるきっかけがない、そして計画が実際の1日に合っていない、です。
| 原因 | よくある例 | 解決策 |
|---|---|---|
| アンカーがない | 「今日のどこかで瞑想しよう」 | 決まった時間、場所、既存のルーティンに結びつける |
| 習慣が多すぎる | 同じ月曜日に新しい習慣を5つ始めた | 動かすのは2つか3つにして、残りはとっておく |
| 目に入らない | 習慣が開かないメモアプリの中にある | 目に入る場所に物理的なきっかけを置く |
| 時間帯が合わない | 朝7時に予定したけど、朝はいつもバタバタ | 1日のうち落ち着いた時間に移す |
実行意図はどうやって忘れるのを防ぐ?
実行意図とは「状況Xが起きたら、Yをする」という形の計画で、状況が代わりに思い出してくれるから効果があります。行動変容の研究でもっともよく調べられている方法のひとつです。
この考え方を提唱したのはピーター・ゴルヴィツァーで、ゴルヴィツァーとシーランによるメタ分析(2006年)では、94件の独立した研究で目標達成に中程度から大きな効果が見られました。カギは具体性です。「夜にストレッチする」はあいまいです。「仕事のあとノートパソコンを閉じたら、リビングのラグの上で2分ストレッチする」なら、タイミング、場所、行動がはっきりしています。きっかけが来たときには、もう計画はできているのです。
ハビットスタッキングはどう思い出す助けになる?
ハビットスタッキングは、考えなくてもすでにやっている習慣に新しい習慣をくっつける方法で、古い習慣がリマインダーになります。コーヒーをいれたら、サプリを飲む、という具合です。
よいアンカーは、毎日、だいたい同じ時間に起こり、すでに自動化されているものです。コーヒーをいれる、歯をみがく、車に乗る、デスクに座る、など。場所とエネルギーの面で新しい習慣に合うアンカーを選びましょう。フロスは歯みがきのあとに、散歩はランチのあとに合います。アンカーの一覧と例はハビットスタッキングの完全ガイドにまとめています。
- 朝のコーヒーをいれたら、日記を1行書く。
- デスクに座ったら、水を1杯飲む。
- 夜スマホを充電器につないだら、本を枕の上に置く。
- 家に車をとめたら、ゆっくり3回深呼吸する。
アンカーを見つける簡単な方法があります。アラームを止めるところから玄関の鍵をかけるところまで、毎朝毎晩かならずやっていることを全部書き出してみましょう。そのリストが確実なきっかけのメニューです。新しい習慣が意味を持つタイミングの直前にくるものを選び、1週間試してみてください。定着しなければ、そのアンカーが不規則すぎたのかもしれないので、リストの次のものを試しましょう。
記録する習慣を減らすと本当に効果がある?
あります。新しい習慣は自動化されるまで注意が必要なので、5つ同時に進めると覚えておくことが何倍にも増え、どれも崩れやすくなります。
新しい習慣が1つなら、まず抜け落ちることはありません。でも慌ただしい水曜日に新しい習慣が5つとなると話は別です。2つか3つから始めて、最初の習慣が勝手に回るようになったら次を加えましょう。よいアイデアがたくさんあるなら、別の場所に書きとめておきます。LazyHabits にはまさにそのための Backlog があり、早く習慣を増やしすぎると注意してくれます。詳しくは一度に習慣を増やしすぎると失敗する理由をどうぞ。
リマインダーや通知に頼るべき?
リマインダーはメインのきっかけではなく、安全網として使いましょう。通知は忘れた習慣を救ってくれますが、スマホが鳴ったときだけ起こる習慣は、まだ自動化されていません。
いちばんいいのは両方を組み合わせることです。最初の数週間は、自然なきっかけ(ランチのあと、デスクで)に加えて、同じ時間にリマインダーを設定します。LazyHabits では習慣ごとに時間、場所、任意のごほうびを決められ、その時間にリマインダーが届きます。そのうち通知の前に始めている自分に気づくはずで、それはきっかけがちゃんと働いているサインです。1日全体の流れをつくりたいなら、毎日のルーティンアプリのページもご覧ください。
それでも忘れたときはどうする?
取り戻そうとせず、次の予定日にその習慣をやり、どんなきっかけが足りなかったかを考えましょう。1回忘れたのは失敗ではなく、情報です。
1日休んでも、習慣の形成が台無しになることはありません。Lally ら(2009年)の研究では、1回の機会を逃しても習慣化の過程に大きな影響はなく、自動化までの中央値は66日でした。同じ習慣を2回忘れたら、もっとがんばるのではなく計画を変えましょう。LazyHabits の Master Habit のような週1回の振り返りは、こうしたパターンに落ち着いて気づくのにぴったりの時間です。気持ちの面については1日休んでしまったときにすることを読んでみてください。
よくある質問
習慣を忘れるのはADHDのサインですか?
習慣を忘れるのはとてもよくあることで、それだけでADHDのサインとはいえません。忘れっぽさが生活の多くの場面に影響しているなら、きちんと評価できる医師や心理士に相談してください。
習慣を思い出しやすいのは1日のいつですか?
毎日確実にやっていることの直後がベストです。多くの人にとっては、1日でいちばん予測しやすい朝のルーティンです。
習慣トラッカーアプリは忘れ防止に役立ちますか?
毎日開いて、リストを短く保てば役立ちます。リマインダーとすばやいチェックでアプリはきっかけになりますが、習慣そのものには現実世界のアンカーが必要です。
1つの習慣にリマインダーはいくつ設定すべきですか?
予定の時間に1つあれば、たいてい十分です。同じ習慣にいくつもリマインダーがあると無視されがちで、時間やアンカーを変える必要があるサインです。
リマインダーがいらなくなるまで、どのくらいかかりますか?
人によって大きく違います。Lally ら(2009年)の研究では、習慣化にかかった期間は18日から254日、中央値は66日でした。シンプルな毎日の習慣でも、数週間から数か月はみておきましょう。
参考文献
試してみませんか?LazyHabits でできること: 毎日のルーティンアプリ